異国情緒のカトマンズ 初めてのネパール人の友達に考えさせられた夜 2018/1/25
- uchidamiho2929
- 2018年5月20日
- 読了時間: 5分
更新日:2018年5月27日

今まで中央アジアには行ったことなかった私にとって、ネパールは興奮が止まらない。
ネパールに行こうと決めたのも、ヒマラヤに登ろうと決めたのも、これと言った理由があったわけじゃない。
社会人になる前に、どこかへ旅がしたいと思い、本屋で地球の歩き方をざっと眺めていたら、たまたま背表紙の「ネパール」の文字が目に留まった。
手に取って開くと、目に映ったのは、赤茶色の煉瓦でできたネパール式の寺院と、中世の街並みだった。
行ったこともないのにどこか懐かしく、それでいて異世界に迷い込めそうな雰囲気に、私は 一瞬で惹きこまれた。この瞬間にはもう、既にネパールに行くことを決意していた。
ヒマラヤに登ろうと思ったのもそうだ。最初は2、3日程度で行って帰ってこれる山を軽く登ろうと思っていたが、知り合いの変人からベースキャンプまで行った話を聞き、わくわくしたので自分もそこまで登ることにした。
人生経験を積もうとか、人に自慢できることをしようとかは思わなかったし、絶景が見たいとか、登山がそれほどまでに好きというわけでもなかった。
私の場合、なんとなく心がわくわくする方へ進んでみると、成功する場合が多い。理由や目的がわからないまま始める方がうまくいく。今回の旅もそうだ。この2か月後にもう一度ネパールに帰ってくるほど、なんとなくから始まった旅で、この国が大好きになった。
きっと、本当に心がそれをやりたいと叫んでいるとき、理由なんて思いつかないと思う。目的がスラスラ言えるとき、それは心がしたがっているのではなく、頭がしたがっているのだと思う。「した方がいい」と考えている。就活で有利になると思って始めたインターンはたいていつまらないし、読んだらためになると思って買った本は最後まで読み切ったことがない。なんとなく本屋で立ち読みを始めたら、いつのまにか読み切ってしまうことはよくある。
何かやりたいことをみつけたとき、大人はすぐに、理由や目的を聞きたがる。言葉で説明できなければ、きっと彼らには見えない。
もちろん、人に伝えるためには言葉で説明できることも大切だ。
でも、すぐに答えがわからなくてもいい。むしろやってみてから見えてくることだってたくさんある。
「心が躍る方にすすむ」そういう気持ちを忘れないでいたい。
そんなネパールで最初に話しをしたのはこちらの男性、Suresh。後にとってもお世話になるとは知らず、警戒心むき出しで大シカトをかましてしまった。初めての中央アジアの空港で、いきなり話しかけられたのだから無理もない。むしろ女一人旅なので、それくらいの警戒心は持っておいた方がいい。
カトマンズにあるツアー会社で働いている彼。だんだん話を聞いているうちに、悪い人じゃないなって思えてきた。ちょうどヒマラヤに一緒に登ってくれるポーターを探していたので、彼のオフィスまでついていくことした。
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登山に必要な道具の半分は、カトマンズで買い足した。日本からは、シューズと、ザック、雨具と寝袋だけ持ってきていた。
ダウンやトレッキングパンツ、マウンテンパーカー、フリース、キャップ、手袋を現地で買ったが、これだけ買っても日本円にして2万円程度。日本の登山用品店でこれだけ揃えるとなると、最低でも4,5万はする。もちろん物は日本の方が良いが、メイドインネパールも十分のクオリティだ。📷
カトマンズには、電柱と同じくらいと言っても全く過言ではないくらいトレッキング用品店が並んでいる。売っている物のほとんどがノースフェイスやジャックウォルスキン、オスプレイ等のコピー品だが、この辺りの服に詳しくない人でない限り、コピーだと気づかないほどだ。ただごくたまにすぐ壊れてしまうものもある。
初めてネパールに来た私のために、Sureshがお店と品を一緒に選んでくれ、値段の交渉もしてくれた。カトマンズでの買い物は、基本的に言い値で交渉制だ。
一通り買い揃えたあとは、ネパールのソウルフード、ダルバートのおいしいお店に連れて行ってくれた。
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初めて口にしたネパール料理は、初めてできたネパール人の友達Sureshとの、ダルバートになった。
きっと一人で食べる事になるだろう思っていた初日の夕食、Sureshと一緒に食べれて本当によかった。一人で食べるより、誰かと一緒に食べる方が何倍もおいしい。
📷3大ネパールビール、「ゴルカ」「エベレスト」「シェルパ」の一つ、ゴルカも飲んだ。彼はこのビールの名前にもなっているゴルカ出身だ。田舎に住んでいる両親のために、現在はカトマンズに親戚たちと一緒に出てきて、毎日夜遅くまで働き、仕送りをしている。もうすぐ自分の会社も立ち上げるそうだ。自分のためにも、家族のためにも、ビジネスで成功したいと語っていた。
実は彼、23歳らしい。もっと大人だと思ってたけど、なんと同い年!
同じ23歳でも私はこのとき、ギャップイヤー中。俗にいうニートだった。自分で決めたことなので、自身を持って一年間自分のやりたいことをして過ごしていたが、彼の話を聞いたときは少し考えさせられた。
自分のためだけに自分の時間とお金を使っている私。誰かのために自分の時間とお金を使っているSuresh。
どっちがえらいとかそういうものはたぶんない。
ただ、自分の意志で自由に決めたと思っていることでさえも、実は環境に左右されているということに気づいた。
もし私がSureshと同じ環境で育っていたら、今と同じように、ギャップイヤーをしただろうか。
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ダルバートの後は、Sureshがよく行くというシーシャバーに連れて行ってもらった。
バンドが大音量で生演奏をする中、シーシャをぶくぶくする。
日本でもシーシャは行ったことがない。初めてのシーシャがカトマンズとあって、余計にわくわくした。
ネパールに失礼かもしれないが、バンドの生演奏を聴きながら、シーシャを楽しめる場所がネパールにあることに私は率直に驚いた。
自分の想像と、現実が違うことなんて、たくさんある。だからこそ、あれこれ考える前に行動してみることが大切なんだと思う。
次回は、カトマンズの市内をぐるっと街歩き!
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